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院長のコラム「2020年を振り返ってーその2」

さて院長の年末コラム:その2はこれも恒例の広島カープについて書いておきたいと思います。今年は言うまでもなく、新型コロナウイルス禍で全てがイレギュラーな1年でしたが、結果はリーグ戦短縮で交流戦もない120試合で、52勝56敗12分の5位と非常に残念な結果に終わってしまいました。

 

私なりの敗因分析をすると、
1)投手陣の不調
今年は投手出身でもあり、昨年まで投手コーチの佐々岡さんが監督ということで、投手起用に改善が見られるかなと思ったりもしたのですが、早めにピッチャーが崩れて試合にならないことが非常に目立ちました。エースの大瀬良がパッとせず、肘の故障で途中離脱して手術、ジョンソンがまさかの0勝7敗でそのまま退団、野村も床田もキレがない投球で早めにノックアウトというゲームが多く、唯一大活躍してくれたのがルーキーの森下投手。森下は、ドラフト後の入団会見の時には体の線が細くて華奢に見えて、1年間持つのかなと不安でしたが、コロナで開幕が6月までずれ込んで、しっかりと走り込みなどの体作りができたのも良かったのでしょうが、とにかく並みの新人ではありませんでした。
10勝で防御率1.91という数字以上に、特に後半の当番では「一点も与えない!」という強い意志をも感じる鬼気迫る投球でした。また、昨年までは「投げさせてみないと分からない」その日によって好不調の波が激しい九里亜蓮投手も大瀬良が離脱して以降は、頼れる九里に変身してくれました。遠藤の成長も明るい材料でした。
3連覇の時には「逆転のカープ」を下支えしていた自慢の中継ぎ陣は崩壊していました。一岡、今村、中田、どれもパッとせず菊池保も酷使されすぎて疲れが見えました。終盤になって、塹江、ケムナ、島内などの新戦力が育ってきて、来季以降に少しの希望は見えましたが。
優勝するための絶対条件でもある抑え投手も、開幕後に起用した新外人スコットがまるで通用せず、佐々岡監督の眼力にも疑問を抱かせるものでした。フランスアも終盤にやっと調子が上がってきましたが、前半戦は球速が上がらず、ホームラン被弾も多い印象でした。

 

2)打撃陣の繋がりの悪さ
結局、鈴木誠也だけでした。しかしその誠也も、5年連続3割、25本塁打、129安打はともかく75打点は寂しい。満塁で迎えた打席の打率が.143という勝負弱さと、あっさりとした見逃し三振の悪いイメージが残っています。OPSは.953とセリーグでは3位につけていますが、1位のヤクルト村上は1.012で、長打率、出塁率共に、また打点でも10点以上負けています。まだまだ誠也の潜在能力からすると、不満な結果だとおもいます。誠也の前を打つ3番が固定できなかった、頼みの西川が怪我で離脱してしまったのも、誠也にとっては不利でした。ヤクルト村上には青木がいましたから、その差も大きかった。
規定打席に達した5人で唯一褒めていいと思うのが堂林。序盤の4割キープしていた時期は神がかっていましたが、111試合に出場して打率.279は今までの堂林を考えたら上出来でした。自力でレギュラーを取りつつあると感じますが、来季次第ですね。あの三塁守備、特に送球はなんとかしないといけません。むしろファーストに固定できたらと思います。
私的には一番不満なのが田中広輔です。終盤だけFAを意識してか打ち出して、帳尻合わせた感がありますが、それでも打率.251。守備にも衰えが目立ちますが、どんなにスランプであっても、前半のように打率1割そこそこであってもスタメンで起用され続ける理由を聞きたい。これはコースケのせいではありませんが、なぜ小園などの若手を使わないのか、特に早々と優勝争いから落ちこぼれた今シーズン、同じ1割台だったら小園などの若手をもっと出すべきだと、と強く思いました。

 

3)首脳陣の采配、選手起用
特に佐々岡監督、投手コーチ歴は長いのに投手交代のタイミング、起用方法の悪さが目につきました。監督業は今年が初めてということを差し引いても、不調の投手を引っ張りすぎて大量失点につなげたり、いくら中継ぎ陣が不調で計算できないとは言ってもあまりにも球数を投げさせすぎというのが目につきました。それでも、1年間それに負けずに故障なく投げ続けた森下のタフさには脱帽ですが。
カープのコーチ陣はなんであそこまで入れ替わりが少ないんでしょうか。ほぼOBで引退すぐコーチ就任、監督が代わっても監督が指名したコーチというよりも前任を引き継いで、ちょっと1、2軍だけ入れ替えましたという起用が多過ぎます。選手は育てなければいけませんが、監督やコーチは失敗を経験させながら育てて行くものでもないでしょう。
カープOBには現役時代の実績もあり、他球団でコーチ経験のあるOBだって沢山いて、カープのためにお役に立ちたいと自ら公言している高橋慶彦さんのような方もいます。
もっと外の血、OBでも他チームの釡の飯を食ってきた、外からもカープを見てきた経験者を起用して、新人監督の脇を固めて行くべきではないでしょうか。その意味で、今度出戻りで帰ってくる河田コーチには期待するところ大です。

 

来季への期待とキーマンですが、投手陣では2年目の森下がさらに大きくなってタイトル狙えるところに来るのではないかと期待しています。彼には2年目のジンクスはないと思います。あとは、遠藤、九里の二人も、今シーズン後半の調子を維持できれば先発の柱になるでしょう。大瀬良は怪我からの復帰ですが、彼が無理しなくてもいいような起用をして欲しいですね。ルーキー栗林は前評判からすると、かなり勝てるのではないでしょうか。担当スカウトの松本さんが大学時代からマークしていた投手ですし、松本さんの慧眼に狂いはないと信じています。個人的に一番期待してるのは、高橋昂也投手です。入団したときから、将来はエースになって、坂倉とスタメンバッテリーを組んでいる姿を想像していましたが、残念ながら肘の手術で坂倉に遅れを取ってしまいましたが、この二人の同期バッテリーの活躍を心待ちにしています。
野手では、鈴木誠也が今年の悔しさをぶつけて、さらに成長してくれそうな予感がします。いずれはメジャーに挑戦して欲しい選手ですが、カープで日本一、三冠王を獲ってからでないと気持ちよく送り出せません。堂林のレギュラー定着、長野さんの復活、大盛など若手の成長にも期待していますが、なんといっても優勝まで行くには外人次第ではないでしょうか。まあ、外人選手は実際に日本でゲームに出てみないと全く分からないのは間違いないのですが、ケビン・クロン選手、ネヴァラウスカス投手、どちらも27歳の伸びしろもありそうな選手です。在米スカウトになったエルドレッドの初仕事なんでしょうか。エルちゃんのように、早く日本に適応して欲しいですね。

2020年は、実は私はマツダスタジアムで一度も生観戦しませんでした。小学生の頃から親に連れられて球場に行き始め、マツダスタジアムが出来てからは毎年10試合は行ってましたので、一度も行かなかったのは記憶にないことです。もちろんコロナのこともあり、クリニックの院長としてはリスクをできるだけ避けたいという思いが一番ですが、マスクしたまま声援や野次も飛ばせないとなると、生観戦の魅力も半減という気持ちもありました。その代わり、今年は夜が暇だった(医師会や眼科医会の講演会、勉強会、会議などは平日夜や週末に開かれるので、結構夜のスケジュールも埋まったりするのですが、今年はその関係の会合が一切無かった)ので、ほぼ全試合テレビ観戦しました。スマホのスポナビで投手や打者の対戦データをチェックしたり、Facebookで友人たちとゲーム内容でチャット(実際は首脳陣采配をボロクソに)しながら、飲みながら野次りながらのテレビ観戦も、決して悪くは無かったですね。

 

2021年シーズンも観客を減らした開催からスタートになりそうですが、コロナ禍が少しは落ち着いてきたら、何回かは現地応援にも行きたいと思っています。そのためにはシーズン終盤まで、優勝争いをしていてもらわないと。来年こそは優勝だ!!

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