緑内障とは視野(見える範囲)が欠けて狭くなってくる進行性の病気で、視神経(眼からの情報を脳に伝える)が障害を受けることでおこります。視神経の障害には眼圧(眼の水圧、硬さ)が大きく関係していることが判っています。緑内障の怖いところは進行性に視野が狭くなり、死んでしまった神経細胞は再生しませんので、治療で元に戻る病気ではないということです。治療の目標は進行の停止にあります。ですから、他の病気と比べても特に早期発見、早期治療開始が大事になります。
眼圧と緑内障
昔は眼圧が高いことが、緑内障の定義でした。一般に正常の健康な人の眼圧は10~20mmHgといわれておりました。 しかし、最近の大規模な疫学調査で、日本人の40歳代以上の方の約6%弱に緑内障が見つかり、その半数以上は眼圧が20mmHgを超えない、『正常眼圧緑内障』であるということが判ってきました。
当院における緑内障検診
昔のように眼圧だけの基準では多くの緑内障が見逃されてしまいます。早期発見には眼底検査によって、視神経乳頭陥凹(緑内障の進行で神経が死んでくると現れてくる形状変化)を早い段階で発見し、視野検査を行って確認することが重要です。眼底検査による緑内障性変化の早期発見は、機械による診断も進歩はして来たものの現時点では限界があり、正直なところ経験に負うところも大きく、医師の診断能力によって発見率に差が出る可能性も十分あります。当院では、院長が勤務医時代から各病院で緑内障外来担当を経験して来ており、初診患者さんには可能な限り必ず眼底検査を行い、疑いのある方に対してはハンフリー静的視野計(世界的な標準機です)や、最新のFDT視野計を用いた精密検査を施行しております。また、2006年度からOCTスキャナーを導入し、緑内障で変化する網膜神経線維層厚の測定や視神経乳頭解析を行い、より精度の高い早期の緑内障診断を目指しています。