お知らせ

院長のコラム『2024年を振り返ってーその2』

2024年の院長のコラムーその2は、広島のスポーツ界についてです。
今年になって、まず広島のスポーツ界を盛り上げてくれたのは、プロバスケットボールBリーグのドラゴンフライズでした。今まで、バスケットボールは広島では野球、サッカーに比べて影が薄く、今シーズンも決して下馬票は高くなかったようですが、ワイルドカードからファイナルに進出して、破竹の快進撃を続け、5月28日の決勝で琉球ゴールデンキングスを破って、日本一の栄冠を手にしました。恥ずかしながら、私はまだ一度もBリーグの試合を観に行ったことがありませんが、観戦に行かれた友人のお話では、相当盛り上がるゲームだそうで、「一度行ってみた方がいい」と勧められました。今までは西区のサンプラザをホームとしていましたが、最近、専用アリーナ建設の機運も高まってきているようです。マツダスタジアムやピースウイングを見てもわかるように、新しい専用競技場がチームに与える好影響もすごくあると思いますし、サッカー場が新しくできてからの紙屋町界隈の賑わいを見ても、地域経済の活性化にもかなり効果が見込めるのではないかと思います。今後に期待したいですね。

 

そして次はなんと言っても、サンフレッチェでしょう。今年は新サッカースタジアム:エディオン・ピースウイングが完成し、サンフレッチェもシーズン終盤まで優勝争いを繰り広げ、大いに盛り上がりました。私は今まではカープ一筋で、サンフレの試合は1回しか行ったことがなかったのですが、今シーズンは新スタジアムの魅力もあって、プレシーズンゲームから始まって8試合ほど観戦しました。野球と違って、いつ得点が入るかわからないので目が離せません。トイレに行くタイミングも難しいのですが、新スタジアムはかなり上の方の座席でも、ピッチ全体の選手の動き、フォーメーションがよく分かり、テレビで観るよりも断然スタジアム観戦の方が楽しいですね。たぶん私のようなにわかファンも今シーズンは相当増えて観客動員数も激増し、シーズン終盤は優勝争いで盛り上がってチケットが取りにくくなっていました。来シーズンはチケット確保がさらに熾烈な競争になるかもしれませんね。ちなみに私の推しは、同姓の中野就斗選手です。今シーズンの成長ぶりには目を見張るものがありました。

 

 

最後に、カープです。今シーズンは、西川のFA流出で、大した補強もなく、かなりの苦戦が予想されていました。期待していた新外人野手は、いきなりのケガそして不振で、全く働きませんでした。昨年の後半で少し結果を出して、今年の飛躍を期待したのが末包と田村でしたが、これもケガと伸び悩みで、結果を残せませんでした。通年の打率.280以上が秋山と小園の二人だけ、ホームラン10本以上が坂倉だけで、チーム全部のホームラン数が52本で、大谷翔平一人にも負けているという惨状でした。それでも、投手陣の踏ん張り、特に先発の大瀬良、床田、森下、九里は夏場を迎えるまでは防御率が0~1点台と貧打線の援護がないにも関わらず、好投を続けて8月終了時点ではカープはセリーグの首位に立っていました。一時は、バスケットボール(ドラゴンフライズ)、サッカー(サンフレッチェ)、野球(カープ)の三大プロスポーツを広島勢で制覇も夢ではないと盛り上がっていました。ところが皆さんご存知の9月の大失速、9月は5勝20敗で、最終的には4位でCSにすら出れませんでした。昨年も終盤に失速したので、新井監督は「今年は勝負所まで無理はさせない」と、主力を時々休ませながら、中継ぎ投手の連投も避けながら、それでもこの結果です。
もうマスコミやネット上で理由は分析されていますが、やっぱり肉体的&精神的な疲れの蓄積でしょう。7月ー9月の猛暑の中で観客や売り子が熱中症で救急搬送されるような中でのデーゲーム、ありえません。それほどまでしてナイターの照明代を節約したいのか?投手陣は肉体的疲労に加えて、打線の援護点がもらえない中で、1点もやれないという極度の緊張感で1年は持たなかったという感じでしょうか。先発投手以外で今年良かったのはベテラン秋山、チャンスでよく打ってた小園、驚異的な守備で魅せた矢野、ぐらいでしょうか。
来季もホームラン数がこのままでは勝てません。新外国人に期待せざるを得ませんが、こればっかりは開幕してみないと分からないですよね。あとなんとかして欲しいのが、コーチ陣。普通は監督が変わると、コーチ陣の組閣は監督の意向を尊重すると思うのですが、新井さんが決めたのは藤井コーチだけです。監督が変わってもずっと辞めない打撃コーチその他、どうなんでしょうか。
坂倉は素晴らしい打撃センスの持ち主で、高卒ルーキーの頃から私の推しの選手でしたが、今年の前半は極度の打撃不振で酷い状態でした。それがガラッと変わって突然打ち始めたのは、オールスターから坂倉が帰ってきてからです。おそらくオールスター戦のベンチでどこかの選手からヒントを得たのではないかと推測していますが、今のカープのコーチ陣には坂倉レベルの打者を指導できる力量を持った人は居ないんじゃあないでしょうか。やはり現役時代の実績、コーチとしてどんな選手を育ててきたかの実績はコーチとして重要です。黒田さんは投手コーチではありませんが、アドバイザーとして節目で若手に指導、声掛けをしてくれています。似たようなことを言われても、あのカリスマの黒田さんから言われれば、そりゃあ腑に落ちるでしょう。カープOBにも人材は結構いると思うんですけどねぇ。
あとカープにもう一つ苦言を呈するのは、チケット販売です。1年のチケットを全て3月に売り始めるってのは、やめてくれませんかね。9月の都合なんて3月にわかりません。どんなに負けが込んでも、年度はじめに売り切ってしまえば既にお金は入っているので、球団の営業的には楽なんでしょうけど、こんな売り方してる球団は他にはないんじゃあないかな。今年のサンフレッチェのチケット販売には感心しました。今までのカープのチケットは、チケット売り場に並ばせたり、ネット電話や販売もある時間に一斉に開始で早いもん勝ちでやるので、繋がらないとか酷いもんでしたが、サンフレッチェは販売時期も数試合ごとに2ヶ月くらい前からだし、ネット販売も販売開始時間前にアクセスして、仮想待合室で待機して、時間になるとランダムに順番が割り振られて席を選ぶ画面に飛ぶという非常によくできたシステムでした。

 

広島でもバスケやサッカーの人気が出て、カープも過去の人気の上にふんぞりかえっていては、そのうちチケットも売れなくなりますよ。一番、ファンを引き留めておくのに必要なことは、優勝できるチームを作ることです。そのためには、選手がこのチームに残りたいという気になってくれるような環境を作ることだと思います。主力が毎年FA宣言するって、チームとして恥ずかしいことだと思います。ともあれ、2025年も期待はしています。フロントも選手も首脳陣も、勝利を目指して頑張って欲しいです。

 

facebookオフィシャルページ