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院長のコラム『2025年を振り返ってーその2』

例年通り、2025年を締めくくるコラムの第2弾は、広島のスポーツ界についてです。
現在の広島は、広島東洋カープ、サンフレッチェ広島、そして広島ドラゴンフライズという「3大プロスポーツチーム」が街を活気づけています。2025年シーズンの観客動員数を見ると、カープが1試合当たり約28,000人、サンフレッチェが25,000人。ドラゴンフライズもシーズン中ですが、4,000人規模の集客をする試合が増えています。大都市圏ではない広島でこれほどの熱量を維持しているのは、本当に素晴らしいことだと感じます。

 

ただ、昨年のコラムでカープに関しては「広島でもバスケやサッカーの人気が出て、カープも過去の人気の上にふんぞりかえっていては、そのうちチケットも売れなくなりますよ。」と危惧しましたが、今年のマツダスタジアムは全試合完売とはいかない場面も見受けられました。特にテレビ中継で空席が目立つ試合があったのは、チケット入手が困難なサンフレッチェの状況と比較しても、対照的な印象を受けました。

 

2024年シーズンのカープは、夏までは優勝争いに残って盛り上がりを見せていたのに、9月の歴史的な失速(5勝20敗)で4位に終わりました。新井監督もその反省を活かして今シーズンに臨んだはずでしたが、結果はさらに厳しいものとなりました。6月までは2位争いに踏みとどまっていたものの、7月に二度の7連敗を喫するなど失速。失速するのが2ヶ月早くなって最終的には5位という、悔しい結果に終わりました。

 

数字を詳しく見ると、ホームでの強さ(37勝32敗)に比べ、ビジターでの勝率の低さ(22勝47敗)が際立っています。また、最下位ヤクルトに負け越した点は大きな課題です(ヤクルトに負け越したのはカープだけ)。チーム打率.246はリーグ3位ながら、本塁打数71は最下位。打者の得点への貢献度の指標として使われるOPS(出塁率+長打率)が0.8を超える強打者が一人もいなかったのはカープだけで、得点力不足の深刻さを物語っています。かつての三連覇時代、丸選手や鈴木誠也選手がOPS1.0超えを記録していた頃に比べると、長距離砲の不在が響いています。

 

投手陣も、粘り強い投球を続けながらも打線の援護に恵まれない展開が続きました。象徴的だったのは森下投手です。リーグトップのQS(6回以上を投げて自責点3点以下)率86.4%を誇りながら、6勝14敗という成績。特に6月20日~8月9日の先発した8試合のうち6試合でQSを達成しながらも、全て敗戦投手となりました。この間の打線からの援護点はたったの計4点でした。こんなことが続くと、投手の根気も尽き果てるでしょう。来季以降、主軸選手たちが次々にFA権を獲得していく中で、森下がFA宣言をするのを誰が非難できるでしょうか。チームとしていかに選手にとって魅力ある環境を作れるかが問われています。

 

昨年のコラムでも書いたカープの問題点、1軍打撃コーチが結果を出せてないのに長年居座っている点については、今シーズン終了後にやっと配置換えがありましたが、まだまだ手ぬるい。かつて石井琢朗コーチが浸透させた「効率よく点を取る意識」が、今こそ必要ではないでしょうか。(石井琢朗コーチは今シーズン終了後、横浜DeNAのコーチを退任して一時フリーになっていたのに、カープからオッファーすることもなく来季は巨人に行くことが決まり、大変残念に思いました)。新井監督になってからのチーム成績も下降が続いています。OBにこだわらず外部の知見を取り入れるなど、首脳陣のあり方を再考する時期に来ているのかもしれません。新井監督が最終戦の挨拶で漏らした「来季も苦しい戦いが続く」という言葉が現実にならぬよう、新戦力の台頭による奇跡を願うばかりです。

 

さて、ついついカープのことになると熱くなってしまいますが、一方で、サンフレッチェ広島は今年も明るい話題を提供してくれました。エディオンピースウイング広島という素晴らしい新スタジアムの効果もあり、集客・経営・補強が噛み合う好循環が生まれています。ルヴァンカップ優勝という形で見事に結実しましたね。私も何度かピースウイングに足を運びましたが、スキッペ監督の戦術やサポーターの一体感には、観る者を惹きつける力がありました。来シーズンは監督が交代しますが、指導者やプレーヤーの移籍がシーズン中でも日常茶飯事的にあって、チームの雰囲気がガラッと変わっていくプロサッカー特有の流動性が野球とは違って面白いですね。来シーズンも、もっと観に行きたいと思わせてくれます。

 

また、先日はドラゴンフライズの観戦にも行きました。初のバスケ生観戦でしたが、あのスピード感には圧倒されました。現在進められている新アリーナ構想が市内中心部で実現すれば、もっとファンが増えて経営基盤が強化されて、サンフレッチェのような好循環が生まれるのは間違いないと思います。今回観に行った対戦相手は長崎ヴェルカでしたが、サッカーのV・ファーレン長崎と同じくジャパネットグループがスポンサーで、ジャパネットの資金力を生かしてサッカースタジアムに隣接してアリーナもでき、日本代表を3人も抱えて、すごく強いチームになっています。サッカーのピーススタジアム、バスケのハピネスアリーナを核にホテルやオフィス、ショッピングモールを備える長崎スタジアムシティが建設されてました。サッカーのV・ファーレンも強くなって、来年はJ1に上がって来るようです。

 

広島の誇る3大プロスポーツチームが、互いに切磋琢磨して街を盛り上げてほしい。そのためにも、まずは最も歴史あるカープに、かつての強さを取り戻してほしいと切に願っています。
がんばれ、広島!という熱い思いとともに、2025年を締めくくりたいと思います。

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