院長のコラム

2006年最後のコラム

早いものでもう2006年も数日を残すのみとなりました。子供の頃は時間の経つのが非常にゆっくりで、「早く大人になりたいな~」なんて思ってましたが、最近は「ついこの間、年賀状を書いたばっかりなのに、またかよ」という感じで、時間軸の経過が加速度的に早く感じられます。この時間の感覚が、自分が年を取ってきた証拠なのでしょうね。

 

さて、今年のコラムを振り返ってみると、医療費の引き下げやその他の医療問題で腹の立つことばかりが多く、怒ってばかりいたような気がします。コラムで取り上げた医療問題以外にも、今年は子供のいじめや自殺問題など暗い話題も多くて、何となく社会全体がイライラしている雰囲気があったように感じています。来年はもっと明るい話題が多い一年だといいですね。

 

年の最後に、当院で今年あった笑える話を二つ。

(その1)当院で白内障手術を受けられた70歳代後半の女性Aさん。術後2日目の診察後の会話ですが、

Aさん:「先生のところで貰った飲み薬なんですけど、これって副作用じゃないかと思うんですが、、、」

私:「化膿防止のための一般的な抗生物質なんですけど、どうしました?」

 

Aさん:「最初は目の周りだけかと思ったんですけど、ほら、ここも、ここも、、。(手を指差しながら)こんなに急に皮膚ががさがさでしわだらけになってきてるんです。ほら、ね!?」

私:「(横にいる看護婦さんと顔を見合わせて)え、えー?そうですかー??」

 

Aさん:「だって、ほら。目尻だって、急にこんなに皮膚がしわだらけになってるんですよ!」

私:「んー、、たぶんですね、、申し上げにくいんだけれど、それは手術前からあまり変わってないんじゃないかなと、僕には見えるんですよ。いままで眼鏡かけても(0.1)ぐらいしか見えてなかったでしょう?急に術後1.2ぐらい見えて、気になりだしただけだと思うんですけどね、、」

 

術後によく、「部屋がホコリだらけなのに気がついて、いやになりますわ」とか、「顔がこんなにしわだらけだったのかって、がっかりしますわ」と冗談めかして明るく言われる方はおられますが、Aさんは本気で薬の副作用だと思われていたようで、視力が劇的に改善したにもかかわらず、その日は初めて老化現象に直面してちょっと元気がなく帰っていかれました(次の日にはまた表情も明るくなられましたので良かったんですが)。看護婦さんと顔を見合わせて思わず笑いそうになったのですが、本人があまりにもまじめに言われたので笑う訳にも行かず、困りました。

 

(その2)以前から定期通院されている、広島弁バリバリの80歳後半の男性のBさんと当院の検査員(視能訓練士)のMさん(九州出身)との視力検査中の会話。

Bさん:「もう年とってのー、腰も痛いわ、耳も遠くなるわ、目も薄うなるし、長生きしてもええことなんか、ひとつもありゃーせんわいのー!のう、おねえさん!」

M:(広島弁まじりであまり聞き取れなかった様子)「・・・・・」

 

 


Bさん:「もう、のー、早う(あの世から)お迎えが来てくれんかいのうー!」

M:「え?え?なんです?」

 

 


Bさん:「じゃけえ、のう、お迎えが早う来てくれんかいのうって言うんよ」

M:「お迎えの方を呼ぶんですね?は、はい。 (待合室の方に向かいながら)Bさんのお迎えの方おられますか~?」

 

これも広島弁がいまいち聞き取れてないMさんが、Bさんの自虐的ギャグにあまりにまじめに応対しているので、(おいおい、まだあの世からのお迎えを呼びに行っちゃあいけんじゃろうー)と、思わず吹き出しそうになってしまいました。

 

おあとがよろしいようで、、。

皆様も良いお年をお迎えください。

 

facebookオフィシャルページ