院長のコラム

ドライアイ:乾いてませんか? あなたの目

2009年になって初めてのコラムですが、1月も後半に入って本格的な寒さになってきました。自宅の私専用の小部屋(自称・書斎、別名・ゴミ屋敷)は家の角で昼間も影になっているためか、結構寒いんです。寒がりの私は、床暖房とエアコンの両方をがんがんにかけて、私が部屋にこもっている間の部屋の中は常夏状態です(笑)。(余談ですが、私は医学部は北海道大学なんで、よく「寒さには強いんですよねぇ」なんて言われるんですが、家の中は北海道の方が断然暖かいんですよ。道産子の方が寒がりが多いんじゃあないかなって思います。札幌時代は真冬にがんがん暖房して、二重窓の間でギンギンに冷やしたビールってのが最高でした。)今週は外気も結構乾燥していて、乾燥注意報が出ているようですが、部屋の中はエアコン暖房でさらにカラカラです。今、MacBookに向かってこの原稿を書いてますが、目が非常にショボショボして、『あぁ~、目が乾いてるなぁ』っていうのが実感されます。

 

私が眼科医になった昭和60年頃には、『ドライアイ』っていう病名は聞いたことがありませんでした。眼科医の間にこの病名が普及した背景には、現在は慶応大学眼科教授になられている坪田一男先生とその研究グループが、若い頃から精力的にこの分野の研究に取り組まれて、数多くの研究業績を発表して来られたのも、大きく貢献されていると思います。『コンピュータ作業中には瞬きの回数が平常時の4~5分の1以下に減って、ドライアイ症状が悪化しやすい』っていうのも、坪田先生のグループの発表だったと記憶しています。坪田教授は一般の患者さん向けにも多くの著書を書かれ、メディアへの露出も多い先生なので、彼を通じてドライアイって言葉を知った方も少なくないでしょう。最近では、『ドライアイじゃあないかと思うんですが、、』と自己申告して受診される患者さんも珍しくありません。この20年ちょっとの間に、ドライアイという病気の認知度が上がり、検査や治療の面でも色々な進歩がありました。ヒアルロン酸の点眼薬の登場で治療効果が格段に上がり、涙点プラグが開発されて重症のドライアイにもかなり対処できるようになりました。

 

しかし、一般の患者さんの間で、必ずしもドライアイに関する正しい知識が普及しているとはいえないようで、『ドライアイだと思うので、薬局で買ったメグスリを頻繁につけてるのに、なんで治らないのか』とか訴えられて受診される方もいます。そういう意味で、ドライアイに関する啓蒙活動の一貫として、参天製薬がおもしろいサイトを作っています。

 

”HELP! ドライアイネットワーク”(http://www.help-dryeye.com/)です。

 

先日、このサイト内に新しいコーナーが登場しました。あの『ベルサイユのばら』の漫画家・池田理代子先生の絵を使った紙芝居風のWeb漫画『ドライアイ日記』です。ドライアイ婦人の声は「銀河鉄道999」のメーテル役で知られる池田昌子さんが、眼科医の声は「機動戦士ガンダム」のシャアなどを演じた池田秀一さんが担当していて、参天さんもかなり力入ってる感じです。いかにも少女漫画っていうキラキラぱっちり瞳のドライアイ婦人のセリフがけっこう笑えます!数話に分かれていますが、テンポよく短くまとめられていて、なかなかよく出来てると思います。ぜひ一度、ご覧になってみてください。

 

実は、この『ドライアイ日記』には私もちょっとだけ協力していて、名前が一瞬ですが出てきますので、注意して見てください(ヒント:第5話です)。

facebookオフィシャルページ