2015年12月30日
さて、最後に古江中野眼科の2015年を振り返ってみます。
私が広島に帰って来て、先代から継承する形で開業したのが1998年ですので、早くも18年が経過したことになります。さすがに20年近く経過して来ると、クリニック内の設備にもガタが来て、色々な不具合が生じてきます。今年も、水回りや電気系統に若干の経年劣化で補修が必要なものがポツポツと出てきて、そのつど何回か小さな修繕を行いました。外来の一階部分は、2010年春に全面改装しましたので、まだ見た目の劣化は少ないのですが(この時の突貫工事のビフォーアフターは、スライドショーにして、当院のFacebookページに公開していますので、興味ある方はどうぞ)、今後もメンテナンスの必要性が増えて来そうです。
https://www.facebook.com/furue.nakanoganka/
医療器械も耐用年数が来たり、もっと高性能の新しい器械が開発されたり、定期的に更新していかないと、最良の医療を提供できません。
当院ホームページのメニューから『設備紹介』をクリックしていただくと出てきますが、今年もいくつかの検査機器を更新、あるいは新規採用しました。
https://furue-nakano.com/eye/?page_id=11
IOLマスター700:これは今まで使っていたIOLマスターの更新でしたが、今回のは測定原理のOCTがSwept source OCTに変更になったメジャーアップデートで、まったく別の装置に変身したと言ってもいいような進化でした。よほどの真っ白な成熟白内障以外は測定可能となったのはありがたいですね。発売以来かなり売れているようで、デモ(試用)することなく、購入を即決しました。
細隙灯顕微鏡(スリットランプ:眼科に行くと診察室でまずお顔をのせる、生体顕微鏡です。我々眼科医にとっては、これ無しでは診療が成り立たないと言っても過言でもない、大事な装置です。これも、昨今の照明機器のように、新製品はLED化されてきました。今まで愛用していたドイツ製の顕微鏡ですが、LED化されると聞いて、日本に導入されると同時に発注し更新しました。
画像ファイリングシステム(iMage7):今まで使っていたiMageはコンピュータはMacベースで、そこが気に入っていたのですが、業務用でMacベースのシステムは数が売れていないためか、もう開発とサポートが終了し、新しい検査器械との接続にも支障があるのでWinベースの新ソフトウェアに更新することになりました。確かにソフトウェアとしては進化していますが、もう10年も前のMacのソフトも画面の美しさ、操作性の解り易さでは全く負けてないことに逆に感心しました。
新規採用した検査機器:ホームページの『設備紹介』の記事をご覧下さい。ERG装置のRETevalと、手持ちのオートレフSpot Vision Screenerです。全く違う検査機器なんですが、共通のキーワードは、小型軽量化、そして患者に優しい、という点です。大きなコンタクトレンズ電極を眼に装着したり、顎台に顔をのせてじっとしていたりできない幼児でも必要な検査を可能にする、患者さんにフレンドリーかつ場所をとらないコンパクトな装置で、今後の医療機器のトレンドを掴んだ器械だと思います。それほど使用頻度が多い機器ではないのですが、今までの装置とは違う画期的な装置なので、これも即決で採用しました。
眼科が他の診療科とちょっと違うのは、毎日の外来でどうしても必要な検査器械が、いずれも高額な精密機器である点です。設備投資をずっと継続していくのも、経営的には大変なのですが、より快適で精度の高い検査、治療をやっていく上での必要経費ですので仕方がありません。また、新しい装置を使うことで今までには得られなかった結果が得られたりすることが、我々眼科医にとっても、仕事を続けていく上での大きなモーチベーションにもなります。
今年も500眼以上の白内障手術を行わせていただきました。何年か前までは、手術も予約が混み合って、申し込んでから手術までの待機期間が6ヶ月にもなったこともありましたが、数年前から手術日を週2回にして、現在は患者さんが手術を決心されてから、なるべく1ヵ月程度以内で手術を受けていただけるように改善されております。来年からも、より快適に、より安全に、精度の高い手術をめざして、職員一同で努力していくつもりですので、よろしくお願い申し上げます。