院長のコラム

2016年のカープを振り返って

広島の2016年を振り返ると、もうカープの25年ぶりのセ・リーグ優勝、これに尽きるでしょう。2015年は黒田投手と新井選手がカープに復帰して、監督も緒方さんに交代して、優勝への期待が一気に高まったのですが、結局は4位に終わりCSにも出れませんでした。昨年のコラムでは落胆のあまり、ついボロクソに書いてしまいましたが、今年は打って変わって素晴らしい一年でした。

 

去年の成績と、エースの前健がメジャーリーグに出て行ってしまったことを考えると、今年もかなりの苦戦が予想されました。今シーズンを振り返ってみると、まさに流行語大賞にもなった『神ってる』シーズンでした。圧倒的に2位以下をぶっちぎった結果になりましたが、何が良かったのかといって、ひとことで言えば、運が良かったということになるのではないでしょうか。黒田、新井のベテランの奮闘、タナ菊丸の1−3番の活躍、鈴木誠也の大成長、野村祐輔の復活、などなど全ての歯車が良い方向に噛み合いました。特に交流戦からの11連勝、その中で出た鈴木誠也の3試合連続決勝ホームランなんて、いくら実力があっても、幸運まで味方にしなければ、そうそう出来るもんじゃありません。

 

今シーズン、一番のキーとなったゲームを挙げるとすれば、8月7日の巨人戦ではないでしょうか。独走体制かと思われたカープが徐々に巨人に追いつかれてきて、これを落とすと3.5ゲーム差になるという、精神的に余裕がなくなりそうな状況で、6−7の一点ビハインドで迎えた9回裏。カープの攻撃も2アウトランナーなしで、巨人のピッチャーは守護神・澤村、もうダメだと思いました。そこから菊池の同点ホームラン、丸が繋いで最後は新井のサヨナラタイムリー!。このゲームを私は当院の職員たちとレフトスタンドから観戦していたのですが、真夏なのに鳥肌が立つような幕切れでした。この時に、今シーズンのリーグ優勝を私は確信いたしました。

 

日本シリーズは、みなさんご存知のように、ちょっと残念な結果に終わってしまいましたが、満身創痍で最後の一年を頑張り通してくれた黒田博樹投手には、心からありがとうございましたと言いたいです。黒田選手が引退してしまった穴は、非常に大きいでしょう。勝ち星の数字だけでなく、精神的なチームの支柱としてカープを引っ張ってきた黒田の代わりはいないでしょうが、来シーズンは大瀬良大地投手の復活を個人的には期待しています。シーズンオフのカープ球団の選手補強を見ていると、巨人のなりふり構わぬFA補強と比べると若干不安を感じざるを得ませんが、今年の強運、神がかりが来年も再現することを祈りたいと思います。来年も連覇ができるようなら、しばらくはカープの黄金時代が続きそうな気もします。久しぶりに日本一になって欲しいですね。

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