院長のコラム

2010年の雑感

昨年の暮れに書いたコラムでは、2009年の最大の話題として『政権交代』をあげ、民主党政権に対する期待も述べました。早いものであれから一年経ってしまいましたが、この一年での感想は、『民主党政権には失望した』ということでしょう。

  • 相変わらずのバラマキ政策。しかもその財源が増税。支出のムダを削減したら財源は出てくるって言ってたんじゃあなかったですか?こども手当も、その財源が扶養控除のカットや増税では、何の意味もありません。増税して、その金をバラまくだけなら、私にだって総理ができますね。
  • 行き当たりばったりの外交政策。普天間基地問題の時の、鳩山さんの『腹案がある』ってのには、ずっこけました。結局、アメリカとの信頼関係も損なわれ、沖縄県民との関係も自民党政権時代よりも悪化しました。更にこのたびの尖閣諸島事件。最初からさっさとビデオを全公開すれば良かったのに、中国にやられっぱなし。
  • パフォーマンスだけの事業仕分け。ムダを省いて出てくるはずの財源はどこに?
  • 公務員改革はどうなったんですかね。国会議員も定数削減するんじゃなかったかな?
  • 小沢とか、仙谷とか、党内のくだらない勢力争いにムダな労力を使って、何してるんでしょうか。国内、国外とも大変な時に、そんなことしてる場合ですか。
  • このまま民主党政権に任せていたのでは、日本は壊れて行くばかりのような気がします。もう今の危機的状況では、民主党だの自民党だの政党間での勢力争いですら、やってる場合じゃないでしょう。強烈なリーダーシップをとれる方に総理をやっていただいて、政党を超えたオールジャパン体制で政権運営してもらえないですかね。

     

    話はがらりと変わって、2010年の当院での出来事で一番のビッグイベントは、やはり1階外来部分の全面リニューアルでした。前々回のコラムで紹介したように、かなり思い切った改装でしたので、それなりの費用もかかりましたが、振り返ってみるとやって良かったと思います。われわれ医療機関が他の商店や飲食店などの商売と違うのは、やはり『来たくて来ている方はいない』っていうことでしょう。患者の皆さんは、何らかの不具合や悩みを抱えて、仕方なく来院している方がほとんどですから、狭くて混雑時には座る場所もないような待合室では診察前に更にストレスがたまって、非常に申し訳ない状況でした。待合室などのスペースが広がって、少しは待ち時間のイライラも軽減できたのではないかと思います。

     

    今年は、改装などもあって手術日が若干減ったため、白内障手術の年間手術件数が昨年よりも少し減りました(手術データのページをご覧ください)。そのなかで、今年は後嚢破損や硝子体脱出といった嫌な合併症を一例も起こさずに一年を終えることが出来ました。何百眼も手術していても同じ条件の眼は二つとありませんし、手術が難しい眼もあります。どんなに注意していても、上記のような合併症には眼科手術医ならば一定の確率で遭遇しますが、眼科医になって白内障手術をやり始めてから、一年間で合併症を一例も経験することなく終えられた年は初めてでした。手術装置や手術に使う小道具や薬剤が進歩して、年々合併症が減ってきているのは間違いないと思いますが、今年は運が良かったというのも正直な感想です。来年も安全第一を心がけ、謙虚な姿勢で手術を続けて行きたいと思います。

     

    来年はどのような一年になるでしょうか。政治、経済などでは、このところ本当にいい話がないのですが、一年後のコラムで『今年はちょっといい年でした』と振り返ることが出来る年になって欲しいですね。

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